[著者] 島田士郎
自社が持つ力を有効に組み合わせ、最大限に活かすことが重要である。会社という組織の求心力が、営業マンのモチベーションを刺激し、お客さまの心に染み渡る。ズバ抜けた実力の営業マンがいなくとも、効率的に組織力を使いこなせば、お客さまは会社と商品を信用してくれる。一人ひとりの存在は目立たなくとも、総合力で競合他社と差別化を図れば、目標とする成果は自ずから得られる。
これからの時代の営業マンは、自社の潜在能力を掘り起こし、組織力を高めることが大切だ。個人の知識と経験を全体で共有し、組織としての価値を再構築した会社を、お客さまは安心し信頼してくれる。
この本は会社という組織の視点から、営業の役割と可能性を捉え直して、勝ち残るためのヒントを示唆している。
組織営業の展開はコンピュータに管理されるものでなく、営業マンの個性を充分に尊重することで、オンリーワンの価値体系を組み立てるものということだ。どのように優れたシステムも、現場で使いこなさなければ役立たない。
会社からお客さまに情報を発信するにも、お題目だけでは相手の心に届くわけがない。本気で会社や商品の特長を引き出して、自分の言葉で熱く語らなければ、メッセージは簡単に捨てられる。
組織力を発揮するには、個人力を養うことが肝心である。指示命令に従うだけで、営業という仕事に魂を入れなければ、どれだけ形を整えても、市場でイニシアティブを握れない。
人間を大切にしなければ、世間から受け入れられない。
(「プロローグ」より抜粋)
定価:660円(本体600円+税10%)